浮体式洋上風力の世界に潜入してみましょう

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なぜ浮体式洋上風力なのか

再生可能エネルギーの普及拡大は世界中が直面している課題です。

しかし、沿岸の水深が深すぎるため着床式の洋上風力発電には適さない地域が数多くあります。そこで重要になってくるのが、より深い水深に建設できる浮体式洋上風力発電です。

浮体式洋上風力発電とはいったいどのようなもので、どのような仕組みなのしょうか。このページでは、そのような疑問にお答えします。また、RWEの浮体式洋上風力発電プロジェクトについては、こちらでご覧いただけます。お問合せはこちらからお願いいたします。

浮体式洋上風力発電とは?

浮体式洋上風力発電は、洋上で風を利用してクリーンな再生可能エネルギー電力を作る方法です。現在設置されている着床式の洋上風車と同じような技術を使っています。

従来の着床式洋上風車が海底に固定されているのに対して、浮体式では風車が基礎構造物となる浮体の上に固定されています。基礎構造物は浮力と復元性を確保するためのもので、設置する海域に応じて様々な設計が行われています。

浮体式洋上風力の入門編としてまとめた動画はこちらです!

  • オフショア風力発電機の図で、ローター、タワー、ケーブルなどの部品がラベル付けされており、夕日が空にあります。

    浮体式洋上風車ユニットは、主に4つの要素から構成されています。


    浮体式基礎(「ハル」や「浮体」とも呼ばれます)

    浮体式基礎は、構造物が浮くために必要な浮力と、風や波などの外力に対する復元性を確保するためのものです。海底に固定する着床式の基礎は海底に埋め込まれているため、風車の重量から生じる下向きの力は海底から支えられています。浮体式洋上風車の場合、この垂直方向の力はすべて浮体式基礎の浮力で支えます。


    位置保持システム(「係留システム」とも呼ばれます)

    位置保持システムは係留索とアンカーをさします。このシステムの主な目的は、浮体式基礎の位置を保持することです。係留システムは海底ケーブルの動揺や荷重の制御にも一役買っています。アンカーは、係留索を海底に固定するためのものです。


    海底ケーブル

    浮体式洋上風車が発電した電気は、海底のアレイケーブルとエクスポートケーブルを経由して陸上に送電します。着床式洋上風力の場合、ケーブルは動かないように固定しますが、浮体式洋上風力では浮体が動くため「ダイナミックケーブル」を使用します。ダイナミックケーブルは海中での動揺に耐えられるよう補強されており、また浮体との接続部の動きに対しても保護されています。アレイケーブルには通常、カテナリー方式またはレイジーウェーブ方式を採用します。


    風車

    浮体式洋上風力で使用する風車は、短・中期的には基本的に着床式で採用されているものと同じ技術が使われていくと想定されます。ところが着床式と浮体式では、風車と基礎となる下部構造の相互作用に大きな違いがあります。浮体の設計にとって特に重要なのは、風車が許容できる動揺、すなわち傾斜(どこまで傾くことができるか)と加速度(いかに速く動けるか)です。風車の制御システムも、これらの諸条件に応じて変更します。

どうやって浮いているの?

浮体式基礎と風車の重量は何千トンにもなりますが、常に直立し、浮力のある状態でなければいけません。現在採用実績のある浮体式基礎には、概ね5つの「タイプ」があります。

  1. スパー型
  2. 吊り下げウェイト型
  3. バージ型
  4. セミサブ型
  5. TLP(テンションレグ・プラットフォーム)型
風車はどうやって浮いている(倒れない)のでしょうか?答えは動画をご覧ください。
  • 海上風力発電機のさまざまなタイプを示す図。日本語のラベルと夕日の背景がある。

    現在実用化されている浮体式基礎は、ほとんどが5つの「タイプ」のいずれかに分類することができます。


    スパー型

    重心と浮心(浮力の中心)の違いを利用して安定性を確保する設計です。重心が浮心より十分に下になるような構成にすることにより、基礎が傾いても、振り子のように垂直に戻るようになっています。


    吊り下げウェイト(SCW)型

    スパー型の類似型ですが一体構造ではなく、上部構造が浮体となって、そこから重りを吊り下げることで、重心が浮心の下にくるように設計されています。


    バージ型

    水線面積(浮体が水面と接している線で囲まれた面の面積)で安定性を確保する設計です。構造体が傾くと、ある部分は水中に沈み、別の部分は浮き上がるため、復元力が発生し、全体が浮く仕組みです。


    セミサブ型

    水線面積で安定性を獲得している点でバージ型に似ていますが、水線面は、それぞれ別の構造体であるコラム状の構造物を3本以上組み合わせることで構成しています。


    TLP(テンションレグ・プラットフォーム)型

    浮体から生じる上向きの力と、垂直に張ったテンドンによる下向きの力の差とバランスを利用した設計です。

どうやって位置を保っているの?

風車が流されてしまっては困りますので対策が必要です。浮体式風車は、係留索とアンカーから成る「位置保持(係留)システム」によって漂流しないようになっています。

浮体式洋上風車の位置保持に採用されている技術の多くは、海運業界や石油・ガス産業で長い使用実績があるものです。そのため、すでに多くの経験と知見が蓄積されています。とはいえ浮体式風力発電特有の課題も見込まれることから、それらに対応していくことが必要です。

より詳細な内容は動画をご覧ください。

  • 青い空の下で、さまざまなアンカー方式がラベル付けされた海上風力タービンの基礎のイラスト。

    位置保持(係留)システムには大別して4つのタイプがあります。設置場所の水深や土壌の状態、および浮体式基礎のタイプを考慮して最適なものを選択します。


    カテナリー係留

    水深500m以浅の海域で一般的に用いられる方法で、チェーンおよび/もしくはワイヤーロープを使用します。係留索はかなりの部分が海底面に接地していて、浮体式基礎の動揺によってチェーンが海底から持ち上げられると、チェーンの自重によって再び元の位置に戻ります。これは復元力のひとつの例です。復元力とは、あるシステムを平衡状態、すなわち元の状態に戻すために働く力のことです。


    トート係留

    水深250m以深で一般的に使用され、合成繊維やワイヤーロープなど軽量の係留索を使用します。このシステムでは、係留索は海底面に接地しておらず、係留索の伸縮によって復元力が生まれます。カテナリー係留に比べ、海底のフットプリント(係留システムが海底に占める面積)が格段に小さくなります。


    セミトート係留

    カテナリー係留とトート係留のハイブリッド型で、海底面に接地している係留索が少ないのが特徴です。水深を問わず使用できます。海底の「フットプリント」は、カテナリー方式よりは小さくなりますが、トート方式に比べると大きくなります。


    TLP(テンションレグ)係留

    一般的に水深120m以深で、特定のTLP(テンションレグ・プラットフォーム)型浮体式基礎でのみ採用されている方式です。浮体は垂直方向の動きが制限され、係留索にはスチールワイヤ/チェーンまたは合成繊維製ロープのいずれかのテンドンを使用します。この方式は、海底の「フットプリント」が最も小さくなります。


    一点係留(外力追従式)

    浮体式基礎の多くは、基礎の向きを固定してしまう係留システムを採用しています。この場合、風車は着床式と同様に風車に標準装備されているナセルのヨーイング機構(タワー先端部でナセルを360度回転させる機構)で風向きに合わせ調整を行います。しかし浮体式コンセプトのなかには、一点係留で係留索を中心にタレットが「風向に応じて回転」する方式を採用しているものがあります。プラットフォーム全体を回転させることで、風車を風向きに合わせて調整する仕組みです。ダイナミックケーブルはタレットの中心でスイベルに接続するので、切れ目なく接続することができます。

どうやって建設するの?

浮体式洋上風力発電プロジェクトの建設には、多くの計画と作業が必要です。

浮体式基礎は主にスチールやコンクリート製で、通常は大きな港の岸壁で大型の機械やクレーンを使って製造、組み立てを行います。風車の部品は、別の場所で製造したものを港まで輸送するのが一般的です。

建設の主要工程を動画でご覧いただけます。

  • 青い背景にRWEロゴのある風力発電機のグラフィック表現。

    浮体式洋上風車はアレイと呼ばれるレイアウトのなかに設置していきます。アレイにおける風車、基礎、係留索、アンカー、ケーブルの位置は、風況、水深、係留方式、海底の勾配、巨礫、土質、障害物など、複数の要因を考慮して決定します。


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