DemoSATHプロジェクトは、2MWの革新的な浮体式プラットフォームを使った実証機を外洋に設置することに成功し、重要なマイルストーンを達成しました。ビルバオ港の建設現場から11マイル離れたBiMEP実証サイトまでのDemoSATH実証機曳航作業は、Windstaller Allianceが同社のアンカーハンドリング船Normand Sapphireと地元業者のタグボートを活用し実施しております。

カンタブリア海の沖合2マイル（約3km）にある水深85メートルのBiMEPのサイトに到着後、事前に設置済みの6本の係留索を実証機のタレットに一点係留する作業を完了しております。

BiMEPの現場では、ダイナミックケーブルを海底に固定したケーブルと接続し、DemoSATHのタレットに引き込む作業を実施しており、これにより陸上送電網への送電が可能になります。DemoSATHは、スペインの一般家庭2,000世帯分の年間電力需要に相当する電力を発電する見込みです。

この度の浮体式設備の完成は、外洋で風力を利用し持続可能な電力を生み出すという本プロジェクトのミッション達成に向けた大きな一歩となります。

Saitec Offshore Technologiesチーフオペレーションオフィサー ダヴィド・カラスコーザ「浮体式洋上風力発電プロジェクトDemoSATHの設置は、長年にわたる地道で粘り強い取り組みとチームワークによって達成できたマイルストーンです。ここに至るまでに多くの困難を乗り越えてきましたが、それらは今、将来のプロジェクトに向けての貴重な教訓となっています。チームの成果とご協力くださった方々のご尽力を誇りに思います。DemoSATHが出港し、再生可能エネルギーの進歩に欠かすことのできない役割を果たす姿を目の当たりにし、胸が躍ります。」

RWE Offshore Wind CEO スヴェン・ウーターメーレン「DemoSATHの洋上設置は、RWEにとって2番目の浮体式実証プロジェクトの試運転に向けた重要なマイルストーンです。浮体式は、沿岸海域の水深が深い国々において洋上風力発電の可能性を開くものであり、世界中で大きなポテンシャルを秘めています。浮体式風力発電のパイオニアとして、本実証プロジェクトから直接学べるということは、当社が今後予定している商用プロジェクトの最適化と安全な事業実施にとって極めて重要です。」

関西電力株式会社 再生可能エネルギー事業本部 副本部長 小倉和巳「パートナー各社の多大な貢献により、革新的な浮体式プラットフォーム実証機を設置し、洋上風力発電の新たなフロンティアを切り開くことができたことを大変誇りに思います。今後も安全を最優先し、チーム一丸となって先駆的なDemoSATHプロジェクトを推進していきます。私たちは、DemoSATHプロジェクトから学び続け、ゼロ・カーボン社会の実現に向けて前進してまいります。」

BiMEPサイトでは、2年間の運用期間中、Saitec Offshore Technologiesが開発した浮体式風力発電用のSATH技術をテストし、運転維持管理の諸要件に関わる課題を分析する予定です。また本プロジェクトでは、外洋、特にカンタブリア海の過酷な海象条件下における課題についてより深い知見の獲得も目的としています。さらに、調査データからは、プラットフォームと環境および他の海洋活動との共存に関わる貴重な知識を得られると見込んでいます。

DemoSATH プロジェクトでは、Saitec Offshore Technologiesのエンジニアリング設計スキル、RWE が洋上風力発電業界で培った専門知識、そして今年初めにプロジェクトに参加した関西電力（KEPCO）の豊富な経験が大きな原動力となっています。加えて、その他関係各社の高い技術力、スペイン産業技術開発センター（CDTI）およびバスク州政府機関であるEVE（エネルギー庁）とSPRI（バスク州経済開発公団）からの支援により、プロジェクトの成功は確実なものとなりました。

ユニットの設置が完了した今、DemoSATHプロジェクトは試運転段階に入ります。発電が始まると運用期間の開始です。大水深沿岸域で風の力を利用しクリーンで再生可能な電力に変換するために設計、装備された浮体式風力発電プラットフォーム、この先駆的な技術は炭素排出量を削減し、スペインをはじめとする世界各国の再生可能エネルギー導入目標の達成に貢献することが大いに期待されます。

報道機関向けのDemoSATH画像はRWE multimedia libraryにてご覧いただけます。（著作権： Saitec Offshore Technologies）