- 調整後EBITDAは17億ユーロ、調整後純利益は8億ユーロ
- 風況の改善により洋上風力発電の収益が増加し、設備容量の拡大によって陸上風力/太陽光発電の収益が増加
- 調整電源関連の収益は、昨年度記録した高水準に届かず、予想通り減益
- 2024年の見通しと今年度の一株当たり配当目標の1.10ユーロを確定
- 再生可能エネルギーが、2024年度第1四半期の発電量の42%を占める
- RWEのグリーンポートフォリオを拡大:総発電容量にして 8.3ギガワットとなる複数のプロジェクトを建設中
2024年5月15日、エッセン
RWEは新年度、堅調なスタートを切り、2024年度の第1四半期における調整後EBITDA(金利・税金・減価償却費控除前調整後利益)は17億ユーロ、調整後純利益は8億ユーロを計上した。前年同期比での減益は、予測通り調整電源関連の減益が主因となっている。
RWE AGのミヒャエル・ミュラー最高財務責任者(CFO)は、「2024年第1四半期の堅調な業績は、洋上風力発電と陸上風力/太陽光発電の両方での大幅な増益が牽引しています。これは、私たちの投資が実を結んでいることを示しています。今年最初の3ヶ月間は、RWEの総発電量の42%が再生可能エネルギーによるもので、今後も継続的に投資していく予定です。現在、総発電容量にして8.3ギガワットの複数のプロジェクトを建設中です。2024年度の見通しと1株当たり1.10ユーロの配当目標を確定しました 。
RWEは引き続きポートフォリオの拡大を図っており、2024年第1四半期の純投資額は23億ユーロとなりました。約10億ユーロは、英国沖の3つの洋上風力発電開発プロジェクトをヴァッテンフォールから買収したことによるものです。また、RWEは第1四半期に風力・太陽光発電所の新規建設に前年同期の2倍以上を投資しました。英国のドッガー・バンク・サウス洋上風力発電プロジェクトの株式49%のマスダールへの売却による収入が、この投資分を補う形となりました。
RWEは現在、合計8.3ギガワット(GW)の発電所を建設しています。その中には、英国沖のソフィア(140万kW)とデンマークのトール(110万kW)の洋上風力発電プロジェクトが含まれます。RWEはまた、陸上風力・太陽光発電の拡大、さらに新しい蓄電池設備の建設を進めており、欧州と米国で100件以上のプロジェクトが現在進行しています。
2024年第1四半期のセグメント別事業展開
洋上風力:洋上風力発電における調整後EBITDAは、2023年第1四半期の4億7,300万ユーロに対し、5億4,800万ユーロとなりました。収益の増加は主に風況の改善によるものですが、前年同期は、想定平均を下回っていました。
陸上風力/太陽光: 陸上風力/太陽光発電の調整後EBITDAは、2023年第1四半期の2億4,700万ユーロに対し、3億4,100万ユーロをとなりました。この好業績は主に、新規設備の稼働と米国のコン・エジソン・クリーンエネルギーの事業活動を3ヶ月間通期で組み込んだことによるものです。さらに、欧州の陸上風力発電所の風況が全体的にわずかに改善したこともプラスに働きました。
調整電源: 調整電源の調整後EBITDAは、前年同期の11億8,100万ユーロから5億5,200万ユーロに減少しました。電力先渡取引における利益及び発電所の出力調整による短期最適化からの収入が 、昨年記録した異例の高水準となる収益には及びませんでした。
サプライ&トレーディング: 同セグメントの調整後EBITDAは2億5,100万ユーロと、前年の2億8,900万ユーロを下回ったものの、好調な自己勘定取引の結果が奏功し、再び高水準となりました。
2024年度より、RWEは褐炭火力発電事業と原子力廃止措置事業を「フェーズアウト・テクノロジーズ」という名称の下でまとめ、調整後キャッシュフローに基づいて管理しています。今後、この事業は調整後EBITDA、調整後EBIT、調整後純利益には含まれません。
高水準の投資活動にもかかわらず堅固な財務状況を維持しており、2024年3月31日現在のRWEの純負債は112億ユーロとなっています。成長に向けた大規模な投資により、同社のレバレッジ係数(例:調整後EBITDAに対する純負債の比率)は2024年に上昇する可能性は高いものの、RWEが上限値として設定している3.0は大きく下回る見込みです。
2024年の見通し
今会計年度の収益見通しについては、2024年3月から変更はありません。2023年11月28日のキャピタル・マーケッツ・デーにおいて、RWEは調整後EBITDAを52億ユーロから58億ユーロの範囲内と予想しています。RWEはこの見通しは維持するものの、2023年11月以降、電力価格が大幅に下落しているため、予想レンジの下限で決算を迎えると予想しています。調整後純利益についても同様で、19億ユーロから24億ユーロとなる見込みです。今年度の配当は1株当たり1.10ユーロに引き上げられる予定です。各セグメントの業績予想の詳細は、2023年度年次報告書をご参照ください。
主要データ
€ 百万ユーロ | 2024年通年 | 1月―3月 2024 | 1月―3月2023* |
調整後EBITDA 洋上風力 | 1,450-1,850 | 548 | 473 |
調整後EBITDA 陸上風力/太陽光発電 | 1,500-1,900 | 341 | 247 |
調整後EBITDA 調整電源 | 1,800-2,200 | 552 | 1,181 |
調整後EBITDA サプライ& トレーディング | 100-500 | 251 | 289 |
調整後 EBITDA | 5,200-5,800 | 1,709 | 2,312 |
調整後 EBIT | 3,200-3,800 | 1,220 | 1,858 |
調整後財務上損益 | -500 | -166 | -150 |
調整後所得税額 | 20% | -211 | -342 |
調整後少数株主 |
approx. -250 |
-42 |
-51 |
調整後純利益 |
1,900-2,400 |
801 | 1,315 |