- RWEは、風車の完全なリサイクルを実現すべく、シーメンスガメサ製のリサイクル可能なブレードを試験的に採用
- 新しいタイプの樹脂により、ブレードとしての役目を終えた後も複合材の再利用が可能
- カスカジ洋上風力発電所は、革新的な基礎構造と改良した施工方法の「実験室」
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エッセン、2021年9月7日
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RWE Renewables, Wind Offshore CEO スヴェン・ウーターメーレン
RWEのカスカジ洋上風力発電所で、持続可能な製品がドイツで初公開されることになります。シーメンスガメサとRWEは、ヘルゴラント沖に設置する風力発電機のうち複数の風車にリサイクル可能なブレードを搭載します。長さ81メートルのブレードは、ブレードとしての役目を終えた後、新しい製品へのリサイクルが可能となる初めてのタイプで、風車の完全なリサイクルへの道を開くものです。RWEは、2022年に商業運転を開始する予定のカスカジ洋上風力発電所で、世界初のリサイクル可能なブレードをテストすることになります。
風力発電機を構成するタワーやナセルなどの部品の多くは、すでにリサイクルが確立されています。これまで、風力タービンブレードに使用されている複合材料は、樹脂系がすべてのコンポーネントを結合しているため、リサイクルが困難でした。シーメンスガメサのリサイクル可能なブレードには、他のコンポーネントから樹脂を効率的に分離することが可能な化学構造を持つ、新しいタイプの樹脂が使用されています。この方法では材料の特性が保護されるため、自動車産業をはじめ、スーツケースや液晶ディスプレイのフレームのような消費財など、新しい用途に再利用することができます。
RWEは革新的な技術の進化を牽引
RWEは洋上風力発電業界における技術開発を推し進めており、この度のリサイクル可能な風力タービンブレードはそのひとつの例に過ぎません。総出力342メガワットのカスカジ洋上風力発電所で、3本のモノパイル式基礎に特殊な環状の部材を施工するという初の試みを行います。スチール製のこの環状部材はRWEが開発した特許に基づいて設計したもので、海底面に施工します。この環状の部材とモノパイル基礎の間にはグラウト材を充填し、安定した接続を実現します。当社は、当該部材によって、標準的なモノパイルと比較して基礎構造物の挙動が改善することを確認するための試験を実施します。
さらに、カスカジでは商業用洋上ウィンドファームとしては世界で初めて、風車基礎を目標の海底貫入深度まで打ち込む作業において、改良した施工方法を採用します。この革新的なバイブロパイル打設工法によって、従来のハンマー打設法と比較して、基礎の施工作業が大幅にスピードアップすると見込んでいます。また、構造物に対してもやさしい工法であり、騒音を大幅に低減することから、海洋環境への影響も軽減します。カスカジでの実証事業は包括的な研究プロジェクトを伴っており、ドイツ連邦経済省の助成を受けています。
カスカジ洋上風力発電所のグリーン電力供給能力は40万世帯相当
カスカジ洋上風力発電所は、ヘルゴラント島の北35kmの海域に建設されます。2022年末に38基の風力発電機がすべて稼働すると、約40万世帯相当のグリーン電力を供給することになります。
RWEの洋上風力発電所の画像はメディアライブラリーmedia libraryでご覧いただけます。